多岐に渡り企業のスタートアップをサポートしてきた実績から弊社が起業するにあたって、場所選びから取り組みました。
これまでの事業拠点は名古屋市中区栄に在り、名古屋市内でも有数の商圏エリアでした。
物や情報に溢れかえる街ならではの騒々しい魅力もありましたが、企業として挑戦していきたいことを自社製品の制作事業や展示・販売事業、地域環境へのイノベーションを実践することを計画していたため、希望する空間のサイズや環境を考慮して、名古屋市内でも郊外の戸田川緑地公園前の倉庫に事業拠点を構えることにしました。
インターネットという無限に広がる空間のおかげで、街との距離感(情報格差)をさほど感じない現代では、何処に拠点を置いても同じ速度で情報や品物を得ることが可能になり、豊かさの定義は最新の情報を先端で感じることでは無くなったように思えたことも一つの理由でした。
名古屋駅から車で20~30分ほどの戸田川緑地公園は、バーベキュー場(無料)や子供ランド、農業体験や釣りなど、時間をゆったり楽しめる自然環境の豊かな公園です。
家族が日常の喧騒から離れて過ごすコミュニケーションの場には、消費中心の市街地とはかけ離れた穏やかな時間が流れていて、弊社の倉庫には時折、利用者の方々の歓喜の声や笑い声が聞こえてきます。
物件を決める際、感覚的に此処だと感じて即決してしまったあまりにも空気感の良い場所に移転した瞬間から、起業準備の際に計画した事業計画は途端に崩れました。
想像はしていたのですが、移転してから気づくことがあまりに多くあったからです。
都会や先端を意識した感覚を拭えずに作成した事業計画は、実際に時間を使いながら、地域の環境や利用者の時間の過ごし方を観察して過ごしてみると、景観や周辺環境に添った場所づくりをしたいと考えるようになりました。
街の中心部と比較すると、開発されていなくて利便性に欠けていたり、安全面への配慮がなされていなかったりする交通環境や公共施設も、利用者のほんの少しのマナーでスムーズになります。
当社が存在することで、現在の環境をより良くできるように。
何処でもできることではなく、この場所だからできることを実行していきたいと思います。